言論王 島田雅彦:康芳夫 対談(3)

言論王 島田雅彦:康芳夫 対談・・・(ヤングサンデー NO.17 1991/9.13 より)

言論王 島田雅彦:康芳夫 対談・・・(ヤングサンデー NO.17 1991/9.13 より)

どこにも拠点の無い生き方を持つチャンスが敗戦後の焼け跡にあった。そこからのしあがった、もっともいかがわしい奴らが結局勝つんだ(島田)

島 そうすると個人の康さんという一つのキャラクターが目を付けて動いてしうること、そして価値のあることは、もはや誰も考えつかないノアの箱舟探しに向かわざるを得ないという感じなんですかね。

康 向かわざるを得ないってわけじゃないけども(笑)もちろん僕の個人的な野心とかね、そういう所からの発想なわけです。箱舟の由来も含めて、時代に一番ふさわしいんじゃないかと。まぁ言ってみれば、高度な遊びなんですよ。

編集部 もしも発見なんてことになったら、もの凄いことになってしまいますね。

康 それはもう大変なことですよね。でもシュリーマンだってね、ホメロスの詩集を読んで、実際発見しちゃったわけだからね。考古学的に言えば邪道ですよ。今もってキワモノ扱いですからね。イレギュラーなメソッドで発見しちゃったわけだから。

島 ノウハウは置いておくとしても僕はいっさいがシステムの中で進行してしまうプロモーションの世界が現実に出来てしまっていて、でもそれが扱う領域は、「採算に合うもの」とかぎられていることにおいてはフットワークがまだ甘いわけね。そこはあくまで個人のネットワークでもって、おそらく康さんは世界中に一国に二、三人ずつ、鍵となる人物の個人的ネットワークを持っていて、その中で常にちょっといかがわしいが、しかし誰も考えつかないようなことが常にあぶくみたいに出ると。それをすぽっとつかむやり方なんでしょうね。

康 今のあぶくはバブルとは意味が違うよ(笑)

島 うん。ふつふつと湧いてくるってことね。強調しておきましょう(笑)

・・・了