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2015.01.27発行 NO:0001
虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)
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全地球を睥睨(へいげい)するスフィンクス『康芳夫』メールマガジンそして
『家畜人ヤプー』通信(有料版)
の読者諸君に感謝申し上げる。

以下 康芳夫『STATEMENT』により
虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)
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全地球を睥睨(へいげい)するスフィンクス『康芳夫』メールマガジンそして
『家畜人ヤプー』通信(有料)のスピンアウト版の展開をする。

まずは、小生の仕掛けごとを知る上で重要な『虚業家宣言』の連載から

STARTする。

― 康芳夫『STATEMENT』―

思い起こせば40数年前、小生が極東において

初めてモハメッド・アリを招聘し、ヘビー級ボクシング・タイトルマッチを実
現した。

これは、その4年後のアリvs猪木戦に連なることになる。

これに前後して、インディ500、石原慎太郎を総隊長とするネス湖探検隊、

ヒトかサルかで満天下を騒然とせしめたかのオリバー君招聘などが実現のはこ
びとなった次第だが、正に往事渺茫(おうじびょうぼう)、夢か現(うつ)つ
か定やかざる間に時はあっという間に過ぎ去っていった。

一方では小生のライフワークとして、これも40数年前、謎の作者・沼正三の
全権代理人として出版した「家畜人ヤプー」の存在がある。現在幻冬舎アウト
ロー文庫から全5巻、辰巳出版から石ノ森章太郎作の劇画「家畜人ヤプー」の
電子版が出版されている。

そしてまた一方では、余齢77歳にして、新人俳優として銀幕デビューするに
相成った。今までも、幾夜もを共に飲み明かした勝(新太郎)ちゃんをはじめ
、大島渚、若松孝二、久世光彦などから再三の誘いがあったが、種々の事情で
断り続けてきた。だがまさか、この期に及んで中島(哲也)監督(「下妻物語
」、「告白」他)の要請による、映画「渇き。」に、新人俳優としてデビュー
することになるとは思いもよらなかった。思い返せば小生の人生も、それなり
にドラマティックな展開をしてきたものだ。

そんな俳優デビューもあってか、身辺が慌ただしくなってきた。

それは例えば、凡百のマンネリ化した人生相談・人生論等に飽き飽きした人々
。そして、小生との何らかのコミュニケーションを切望する人々の声でもある。

かかる状況下において、然るべき決断とともに、その要望に応えるべくネット
でのコミュニケーションも開始する。

【虚業家宣言(1)】

第一章 プロローグ

◆来なかったのは『人民日報』だけ

ニューヨークのマンハッタンを私が歩いている。例によって私の一番好きなピ
ンクのチャイニーズ・ドレスを着て。すると、男たちがまといつきながらささ
やく声が耳に入ってくる。

「プリティ、ヴェリィ・プリティ」

「フーズ・ヒー?」

「ビッグマウス」

「アリズブレソド」

「チャイニーズ?」

「ノー、ジャパニーズ」

私はミ十六歳。国籍は中国にある。中国人を父に、日本人を母として生まれた
ハーフだ。

私が尊敬する東南アジア映画界の大立者・ランラソショー氏は、かつて新聞記
者に、「あなたの財産はどのくらいあるか」と質問されたとき、「私は自分の
財産を勘定するほどヒマではない」と答えてケムに巻いたというが、私も自分
の財産を数えたことはない。財産、資産と呼ぶべきほどのものを何も持ってい
ないからだ。

だが、私はこれまでに、初めのうちは“ボラ吹き”と馬鹿にされながら、世界
中をアッと言わせたことを何度かやってきた。カシアス・クレイやトム・ジョ
ーンズを初めて日本に呼んだのも私だし、ネッシー探検隊で世界中を騒がせた
のも私だ。私は無一文に近い状態から、これらのビジネス、私の好む表現を使
って言えば“フィクショナル・ビジネス”をやり遂げてきた。

何ひとつオフィシャルな肩書を持たない男として、これまでに、私ほど世界中
のマスコミに取り上げられた男はいないだろう。アメリカの『ニューヨーク・
タイムズ』、『タイム』、『ニューズ・ウィーク』、『プレイボーイ』、『デ
イリー・メール』、『ザ・ピープル』、フランスでは『ル・モソド』、『フィ
ガロ』、『パリ・マッチ』、ドイツの『ウエスト・ドイッチェ・アルゲマイネ
・ツァイトゥソグ』、『シュテルソ』、そしてソビエト共産党の中央機関紙『
プラウダ』。何十万、何百万の部数を誇る世界的な新聞、雑誌が競って私のや
ったことを報道した。

冗談でなく、私のところへ取材に来なかったのは『人民日報』だけである。だ
が、今後私の計画していることが、次々と実現していけば、その『人民日報』
でさえ、私のところへ飛んで来ざるを得なくなるだろう。

その日は意外に早く来るかもしれない。

◆『ニューヨーク・タイムズ』で大特集

なかでも『ニューヨ―ク・タイムズ』は、この二月三日の日曜版(日曜版の発
行部数は約百五十万部)で、私のために、ほぼ一ぺージを割いている。三島由
紀夫さん(私は彼と親しくしており、私の仕事のうえで彼の世話になったこと
もある。詳しくは後の章で書くつもりだ)が、市ケ谷の自衛隊に乱入、割腹し
て死んだときに、『ニューヨ―ク・タイムズ』がどのくらいの扱いをしたか、
存知だろうか?四半ぺージ、つまり一ページの四分の一だった。

世界的な大作家三島由紀夫が、腹かき切って、自分の命と引き換えに、わずか
四分の一ページ。私は“ホラ〃をひとつ吹いて、それで一ページである。

何もページが多いから、私が三島さんより優秀な人間だなどと言うわけではな
が、一つの人間評価の基準にはなるだろう。

参考までに、そのロイ・ボンガルツ記者の書いた『ニューヨ―ク・タイムズ』
の私に関する記事を引用しておこう。

An Eastern Dreamer In Pursuit Of A Western Monster
(西欧の怪獣を追い求める東洋の夢想家)

《昨年秋、ネス湖の怪獣を求めて探検隊を組織、ネス湖に乗り込んだ日本の夢
想家・康芳夫に初めて会ったとき、彼はグレン・アルクハルト・ロッジ・ホテ
ルのテラスに立ち、刻々と闇に包まれていくネス湖の水面を見つめていた。彼
の美しい髪は肩より下までのび、彼の表情は穏やかで、自信に満ちあふれてい
た。彼の目鼻立ちのハッキリした顔、なかでもグッと鼻筋の通った鼻は、さな
がらスー族の勇者のような威厳を感じさせる。彼は探検の結果についてはまっ
たく心配していなかった(確率は五分五分だと彼は言っていた)。現在、康氏一
行はすでに日本に帰っている。彼らはこの春の再度の探検に備え、目下、水中
カプセルの準備中である。

康氏率いる探検隊の一行が、スコットランドにとって、当初、かなり目ざわり
なものだったのは確かだ。水際までモミの大木が生い繁り、その背後には峡谷
と大森林、そして霧深い高原地帯が広がるスコットランド。だが今や、康氏に
よってその風景すら描き変えられたようだ。湖岸に立つアルクハルト城の廃櫨
や、雲間を破って洩れる太陽の光さえ東洋的に見えてくる。康氏は三十六歳。
もしネッシーが見つかったら生け捕って日本へ持ち帰ると言う。一匹見つかれ
ば、この湖には他にもたくさんいるはずだ、というのが康氏の考え方だ。興行
師として彼は、これまでにもずいぶんと大きい仕事をやってきている。今日ま
でに、モハメド・アリ、ボリショイ・バレー、エルヴィス・プレスリー、トム
・ジョーンズを日本に呼んだ(プレスリーはまだ呼んでない―著者注)。
六前には、車、トライパーもろとも『インディ500』を日本へ呼んでいる。
結果的には百ドルの赤字だったというが、彼は別に残念がるふうでもない。彼
は日本の若いソル・ヒューロック(世界的な音楽プロモーター、マリア・カラ
スをマネージメントしていた)である。

なぜネッシーを日本へ連れ帰りたいかの理由を、康氏はこう説明してくれた。
「今日、世界中の人間が、日本人も、アメリカ人も、イギリス人も、すべての
人間が夢を失っているというのが私の哲学です。彼らは何の夢も持たずに生き
ている」

だが、「私には夢がある」と康氏は言うのである。

彼はニューヨークに住んでいたことがあるというのに、英語はさほどうまくな
い。だが彼の言わんとしていることはこうだ。

「われわれ現代人はもっともっと夢を抱くべきだ」(私が彼の趣味をたずねた
とき、彼は眠ることだと答えた)。

「現代人に夢を与えるために、私は、この金がかかり、時間をくう仕事を計画
したのである」とも言っていた。

「私は十二歳のとき、雑誌でネス湖の怪獣のことを読んで興奮したものだ。私
は冒険好きな少年で、高等学校のときには世界を股に七つの冒険をする計画を
たて始めていた。大学を出て興行の世界に入ったが、私は片時もこの計画のこ
とを忘れなかった」

第一の冒険(ネッシー探検)が終わったら、次のにかかる準備ももうできてい
。すべてをやり終えるのに五年はかかるだろう。今後の冒険については今は言
えない。ただ、ネッシー探検が第一の冒険であることは確かで、これこそ、二
十世紀最大の謎だ、と康氏は言うのである。

いずれにしろ、ネッシ-ほど長い間親しまれてきた”怪獣”はいない。五六五年
、日曜礼拝中のコロンバ牧師の眼前で、船乗り二人が怪獣に襲われ、一人が死
亡したという記録が残っている。当時の記録によると、

---その場に居合わせた者全員が恐怖にかられた。だが、師が空中に十字を
切り、その男に触れるな、去れ、と怪獣に命ずると、その怪獣はアッという間
もなく水中に姿を没した---

ネッシーの他にもスコットランドには多くの怪獣が存在しているという伝説が
残されている。塩水の海峡に住むと言われる青い顔をした”ミンチの青入道”、
ランノッホ湖の”水魔”、オー湖の怪獣などなど。世界的に見ても怪獣がいると
考えられている海や湖は少なくない。ニューヨーク州とバーモント州との州境
にあるチャムプレイン湖、ブリティッシュ・コロンビア州のオカナガン湖など
がいい例であろう。バルチック海には島と見まごうほどの大怪獣がいるとされ
ている。

しかし、ネス湖の怪獣ほどやっかいなものもいない。これまでにも何回となく
写真が撮られたりしながら、かんじんなことは何一つわかっていない。むしろ
地元住民はそれを楽しんでいるようでもあった。だから、康氏の率いる日本隊
が昨年九月に到着したときには、地元住民たちが警戒の色を示したのは当然だ
ろう。麻酔銃を使うなどとんでもないことなのだ。スコッチ・オフィスの厚生
省はすぐに声明を出した。

「そういう武器は住民が危害を受けそうになったとき以外使用を禁止されてい
る。ネッシーは危険な動物ではない」

ここ十三年間、ネッシー調査に従事、ネッシーに関する何冊かの著書もある英
国の怪獣探検家・ティム.ディンズデールも疑いの目を向けたし、一万五千時
間以上もネッシーを監視中のフランク・サールも、数シーズンにわたって音波
探知器で調査中のマサチュセッツ応用科学協会のロバート・ハインズ、リー・
フランクも当初日本隊を歓迎しなかった。地元で七年間、ミヤゲ物店を経営し
てきたホリー・アーノルドやディック・レイナーにとっても日本隊は決して有
難くなかった。怪獣の正体がハッキリして商売が成り立たなくなることを恐れ
たのだ。

しかし康芳夫氏の謎のような徴笑と人を魅きつける瞳によって、数週間後には
日本隊は彼らとごく親しくなっていた。日本隊はスコッチ・オフィスからの許
可も得、マサチュセッツ大チームとの協力も約束された。ホリー・アーノルド
や、ディック・レイナーなどは日本隊の正式な隊員になってしまった。

康氏は今度の計画のスポンサーについては詳細を語りたがらない。日本の大企
業三社が匿名を条件に資金を出してくれたと言うのみである。

「私は神秘なものに対して情熱を持っているのです。それだけの理由しかない
。スポンサーも、その点は了解してくれていて、これで儲けようなどとは思っ
ていない。しかし、もし成功すれば、テレビの宇宙中継料として莫大な金を得
るのも事実です。そのときには英国民にも利益の一部を還元するつもりです」

日本隊は十二月二十九日に日本に帰ったが、康氏は日本で、

「ネス湖は完全に調査した。来年はコンピューターで作成する音波探知器やTV
カメラをつけたカプセルを沈める予定だが、その基礎調査としては十分だった
。しかも、二人のダイバーが、十五メートル、三十メートルの地点で何かの鳴
き声を耳にした。うなぎに似ているが、ハッキリしない」

と発表している。

私と康氏が話をしている間、ずっと、彼のガール・フレンドが傍にいた。ロン
ドンのブルック・ストリートで日本レストランを経営しているそうだ。その彼
女の目にも康氏と同じように心を落ち着けるような光が宿っていた。

康氏が借りた桟橋のところで、私は、「もし、ネッシーを見つけたら、どうす
るのか」と聞いてみた。彼は深々と体を曲げ、大げさに手を広げながら、こう
言った。

「すべては女王陛下の御意のままです。捕えろとおっしゃれば捕えます。そし
て何匹かの怪獣がいるはずですから、一匹を女王陛下に、あとの残りを天皇陛
下、毛沢東主席、蒋介石総統に一匹ずつ差し上げます」

彼らが帰国する前にかなりの雪が降った。康氏たちは寒さや、湖の暗さや、冬
のスコットランドの悪天候など数々の危険をおかして仕事をした。悪魔払いの
権威で、今年七十になるドナルド・オマンド師は、ネッシーには悪魔の力があ
るといって、昨年夏、湖上にボートを浮かべ悪魔払いの式を実行した人だが、
彼の警告するところによると、「これ以上、ネッシーを追うのは危険だ。怪獣
を追う人々は、しばしば精神に変調を来たす」と言う。

だが、康氏は微笑しながら、最後にこう語った。

「世界の人々の夢を満たすのが私の仕事です。これこそ、価値ある、やりがい
のある仕事と思いますが、どうでしょう」》

では、私の”虚業家”としての名声と地位を不動のものにした『クレイ戦』のこ
とから始めよう。

・・・次号、
虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)に続く

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発行人:康芳夫
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編集人(家畜人ヤプー通信):高取英
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