頬の”母斑”こそ実体ヒトラーの徴(2)

『滅亡のシナリオ』:プロデュース(康芳夫)プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著)精神科医 川尻徹

「そのとおり。太って、外斜視があり、頭部右傾斜が認められるダブルと、長身で長頭、表情が弱いダブルだ。後者は後半になって登場してきた。どうも、それまでのダブルが衰弱し、ダブルの役目を果たせなくなってきたから、もう一人のダブルを立てたのではないかと思う。日本の松岡外相などが会ったヒトラーは、色が抜けるように白く、実にハンサムだったそうだ。後年、三島由紀夫はヒトラー対する憧れを隠さなかったが、彼のようなホモセクシャル傾向の男性に強くアピールするのは、こっちのダブルだろうね。私は、日本の要人と接触したのは全部、後者のほうのダブルだったと思う。ヒトラーがダブルであるか、実体なのかは、周囲にいる部下の表情や雰囲気を見れば分かる。どちらのダブルの場合も、部下たちは緊張感を欠いているからね」

中田は考えこんだ。人間は、その世代世代で体型も変わるし、健康な時、不健康な時で挙動、雰囲気も変わる。しかし、こうやって博士の説明を聞きながら見てみると、ヒトラーのダブルが確実に存在していたのは間違いない気がする。

「そうすると・・・・・・、ヒトラーのダブルが二人もいたとすると、総統官邸で自殺し、ガソリンで焼かれた人間が実体のヒトラーとは思えなくなりましたね」

「そうだろう。コーネリアス・ライアンが言っているように、ヒトラーの遺体の横には、繕った靴下をはかされた、もう一人の遺体があった。どうして二人の男の遺体があったのか」

「それじゃ、入れ歯を外してあったという遺体が、年をとったほうのダブルで、もう一つの遺体が、長身、長頭のほうのダブルだった・・・・・・?」

「そう考えると話がまとまるんじゃないかね?役目を終えたダブルは必要がない。秘密を守るためには死んでもらうのが一番だ」

・・・・・・・・・次号更新【ヒトラーは第二次大戦後も生きていた!】に続く