康芳夫

今、イスラム国に行きたがっている若者は多いんでしょうか?

『ビオクラシー 福島に、すでにある』より小生インタビュー抜粋

―今、イスラム国(以下、IS)に行きたがっている若者は多いんでしょうか?

康 感じますね。潜在的にね。

それは別に「行け」という意味ではなく、ISが言っていることは、間違ってるとかあってるとかは別にして、今の閉塞状況を打開する一つの窓口として、世界中の若者にアピールしている。

ただISが対応しようとしてる相手は、アメリカでありヨーロッパ、さらには日本を含めた先進国であると。これらは強大な力を持っていて、彼らはいつか必ず壊滅させられます。だから、彼らが現実的に存立をはかるなら、やはり既成の勢力と現実的な対応をして、現実的な妥協をはからないと潰されますよね。

―正否を超え、ISに魅せられる若者が世界中にいるということは、現代社会に刺激が足りず、何らか問題がある。

康 ISは、例えば石油にしても「盗掘して」、「かっぱらって」って言われているの。でも彼らから見れば、あれは本来彼らのものなんだよ。それを、サウジアラビアとかクェートと一部の連中は欧米社会の巨大石油会社とグルになって、目も眩む利益を独り占めしているのだから、そこは理屈として「取り返そう」ってのは通るかもしれない。

僕は原始的な話を言っています。今、「イスラム国」って、彼らは「国家」をつくっちゃったわけ。そもそも国家なんて誰でもできちゃうというか、アメリカやヨーロッパ、日本みたいな先進諸国は自分たちの都合と力で勝手に領土を設定してきて、ISにすれば「じゃあ、オレたちもやろう」って、それは一つの理屈になる。そこで彼らの理想論を正しいとか正しくない論じると非常に時間がかかるし、やっかいな問題なので、僕はそこにはどうのこうの言わないわけだけど。

イスラム法学者の中田君が「ISこそ世界唯一の聖なるグループである」かのごとき戯言をぬかしているが、要は「血の一滴」=石油をめぐる争奪戦にすぎないんだ。

・・・以上、『ビオクラシー 福島に、すでにある』より抜粋