拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」:Fukujin N0.11 2006

拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」・・・5

拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」:Fukujin N0.11 2006

南 赤瀬川原平さんが千円札裁判の流れをいろいろ書くとお金のことにいくんだけど、それは子どものときに「お金ってなんだろう」と思った感じが大人になっても残ってるんですよね。

康 もちろんそうです。

南 康さんも同じようなところがあるんじゃないかな。

康 原平自身はそういうことを僕にいうし、今も北朝鮮のガキ将軍が膨大な偽ドル札を流してる。これを偽札と呼ぶべきかどうか。北朝鮮のドル札偽造はまさに二十世紀最大のブラックジョークだろう。言うまでもなく彼等の偽札作りを容認するなんてとんでもない話で、国際社会の秩序、安定という立場からは国際的ゴロツキ、犯罪者であるガキ将軍一派を早急に屈服させて、国際的秩序に従わせるしかない。

それはそれとして、じゃあ、アメリカが作ったものが本物なのかということになるからね。だってそうでしょ?実態的な価値がどこにあるかってことですよ。だから絶えず経済が混乱する。この問題を根本的に解決しない限り、世界経済なんて鎮静化するはずがない。つまり、国際通貨の発行権をアメリカが占有しているところに根本的問題がある、ということだ。岩井克人だってそう言いたいんだけど、そこまで言っちゃうと実もふたも無いというか、彼のような市民社会的経済学者というのは発言権がありながらそこまで言わないだけなの。実際、彼はちゃんとわかってるの。岩井も馬鹿じゃないから。

上杉 でも、『貨幣論』ってそこまで書いたわけでしょ?

康 今僕が言ったところまでははっきり書いてない。僕はそう受け取ったんですけどね。でも、彼はフィクションのメカニズムは充分にわかってる。もともとの質問の「金の圧力に負けるか負けないか」というのはただの紙切れなんだからありえない。適当にあしらうだけだ。ないときは10円もないわけだし、あるときは何百億もある。紙切れにふりまわされるのは御免だ。

上杉 それは積み重ねのなかで体得したものですか?それとも最初からそう思っていたということですか?

康 両方ですね。

・・・以上、拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」:Fukujin N0.11 2006 より抜粋

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