月蝕歌劇団創立30周年記念『家畜人ヤプー』

月蝕歌劇団創立30周年記念(連続公演 第三弾)

2015年10-11月 月蝕歌劇団 ザムザ阿佐谷

第84回本公演

家畜人ヤプー

原作◎沼正三 脚本・演出◎高取英 音楽◎ J・A・シーザー

日本人が家畜人とされるイース帝国とは何か?
皮膚強化装置・尿洗礼・畜人犬
引き裂かれた恋人
麟一郎とクララの運命は?

2000年月蝕歌劇団によって
初めて演劇化され話題を呼んだ
戦後文学・最大の奇書
三十周年記念に三たびの上演!

詳細 http://page.freett.com/gessyoku/
月蝕歌劇団公式ホームページ

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家畜人ヤプー倶楽部(家畜人ヤプー全権代理人 康芳夫)配信予告
http://www.mag2.com/m/0001642004.html

2015.8.28発行 NO:0021

家畜人ヤプー伝説

2015/09より毎月 第1月曜日(祝祭日・年末年始を除く)発行・・・100円(税別/月額)
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◆家畜人ヤプー http://goo.gl/6mbXy #wikipedia

昭和四十四年

『ぜひ、あれを見つけ給え。あれこそは戦後最大の傑作だよ。マゾヒズムの極致を描いたまったく恐ろしい小説だ。出版する価値のある本だ』そう三島由紀夫は小生に熱を込めて家畜人ヤプーの内容を語りつづけた

◆一九七◯年 三島由紀夫(『潮』七月号より)

戦後の日本人が書いた観念小説としては絶頂だろう・・・・・・・・・この小説で感心するのは、前提が一つ与えられたら世界は変わるんだということを証明している。普通にいわれるマゾヒズムというのは、屈辱が快楽だという前提が一つ与えられたら、そこから何かがすべり出す。すべり出したら、それが全世界を被う体系になっちゃう。そして、その理論体系に誰も抵抗できなってしまう。もう政治も経済も文学も道徳も、みんなそれに包み込まれちゃう。そのおそろしさをある小説は書いているんだよ

◆二◯一五年

小説(幻冬舎アウトロー文庫)
家畜人ヤプー1巻~5巻
http://goo.gl/lwQBIC (幻冬舎HP:家畜人ヤプーページ)

劇画(辰巳出版)
石ノ森章太郎らが描いた「家畜人ヤプー」全4巻が電子書籍に
http://natalie.mu/comic/news/113442

◆家畜人ヤプー伝説 奥野健男(昭和四五年二月 家畜人ヤプー(都市出版社)初版)より

【家畜人ヤプー 沼正三 一九七◯年】定本:都市出版社

※奥野健男(おくの たけお、1926年〈大正15年〉7月25日-1997年〈平成9年〉11月26日)は、文芸評論家・化学技術者。多摩美術大学名誉教授。父は最高裁判事の奥野健一・・・ https://goo.gl/wTmqvq #wikipedia

好事家の文学者や文学青年や編集者の間でヤプーとか、家畜人間とか、定かでない言葉が秘密ぽく、ささやかれ、耳打ちされるようになってから、もう十年になるであろうか。何かヤプーとかいう題の不思議な小説があるそうだとか、ものすごい作品で世に出れば大問題になるからとても出版できないらしいとか、ぼくの耳にも各方面からさまざまな噂が入ってくる。次第に噂には尾ひれがつき、それだけで一篇の怪異譚になるような”ヤプー伝説”ができあがってしまった。すべての伝説がそうであるようにふくれあがり、人々の口からロへ変幻して行くままにしていた方が、ますますおもしろいのだが、ここに幻の小説「家畜人ヤプー」が今度こそほんとうに出版されそうなので(この解説めいた文章が諸君の目に触れ、それは正真正銘に出版されたとの証明になるのだが、まだまだ油断ならない。たとえ出版されたとしてもまた忽ち陽の目を見ない薄暗闇の中に処分されるなどという、どんな運命が待ちかまえているのかわからないのだから)いちおうぼくのわかっているヤプー伝説の典拠だけを語ることにする。

諸君は「奇譚クラブ」という極めて真面目な雑誌が出版されていたことを御存知だろうか。戦前この雑誌の前身があったかどうか、戦前のことはぼくは知らない。戦後禁断の思想と性の解放により「りべらる」「猟奇」から「あますあまとりあ」まで各種のエロチシズムや性を売物にした低劣通俗誌から高級専門誌にいたる各種さまざまな雑誌が刊行された。その中で「奇譚クラブ」はほかのエロチシズムには一切目もくれず、サディズム、マゾヒズムだけをひたすら追求して飽くことのないユニークな専門誌だった。毎号のグラビヤは紙質が粗悪だったのでやや鮮明度を欠いてはいたが、女体の縛り方、責め方の研究など、真剣さを通り越しておそろしいほどリアリスティックで実用的でかつファンタスティックであった。出版元は関西の方にあり、終りの頃は本屋の店頭ではなかなか見つからず熱心な予約購読者へ直送される部数の方が多かったのではないか。今日「奇譚クラブ」は古書市場で揃などもし出れば天文学的相場を示している。ぼくは敗戦後しばらくの時期ある真面目な数学者からすすめられて以来、熱心な購読者であった。そして高分子化学のエンジニアをやりながら文芸評論に手を染め出した昭和二十八年の頃、たまたま三島由紀夫氏とサド、マゾの心理機制について論議した折、三島氏も熱心な「奇譚クラブ」の購読者であることを識って、なにか親近感をおぼえたものだった。

・・・以上 2015.8.28発行 NO:0021 家畜人ヤプー倶楽部(家畜人ヤプー全権代理人 康芳夫)より抜粋予告