『滅亡のシナリオ』:プロデュース(康芳夫)

プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著) 精神科医 川尻徹

滅亡のシナリオ(4)

いまも着々と進む1999年への道

これが、”麻原オウム”幹部必読の教科書だ!

1章 いま明かされる”ノストラダムス計画”
---第二次世界大戦は”ヒトラーの第四帝国”建設への布石だった!

◆「一九九九年、恐怖の大王」の正体を求めて

中田がこの難解な奇書を放り投げてしまわなかったのは、かねてからノストラダムスの予言について関心があったからだ。

予言者、ノストラダムスの名は、日本でもあまねく知られている。

---ミシェル・ノストラダムスは一六世紀、フランスの人である。宮廷の医師であり占星術もよくしたという彼は、未来に起きる出来事を予知する超能力に恵まれていた。

彼は一五五五年、四行詩の形にした予言の数々を集めて『諸世紀』(Les siecles)なる予言詩集を出版した。収録された詩の数は千二百余編だったと思われるが、後世にその一部分が失われ、現在伝えられるのは九百余編である。

『諸世紀』が発表された四年後、フランス王アンリ二世は、ノストラダムスの予言のとおり「目を貫(つらぬ)かれて」横死(おうし)し、さらに「王国は悪(あ)しき道をたどり」という言葉そのままに、ブロア王朝は悲劇的な崩壊を遂(と)げる。かくて予言者ノストラダムスの名は高まった。ヨーロッパの人々は争って彼の予言書を求め、未来を知ろうとした。文豪ゲーテが『ファウスト』の中で「この神秘に満ちた書物」として『諸世紀』について言及していることは、つとに有名である。

そして、五島勉(ごとうべん)氏の『ノストラダムスの大予言』(祥伝社刊)によって、ようやく日本にひろく紹介された時、若者たちの関心をいちばん惹(ひ)いたのは第一◯章七二番の予言だった。

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一九九九年、七の月

天より恐怖の大王が降(くだ)り

アンゴルモアの大王をよみがえらせ

その前後、火星はほどよく統治するだろう

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この四行詩は、何を意味しているのか。

”恐怖の大王”とは何のことか。一九九九年、日本はどんな運命に見舞われるのか。若者たちは、自分たちの十数年後の運命が予言されているノストラダムスの予言を無視することができない。そういった”ノストラダムス世代”の強い関心ゆえに、この予言集は日本でも爆発的に売れ、関連の書籍をふくめてベストセラーを続けているのだろう、中田も、初めてこの予言が紹介された『ノストラダムスの大予言』が出版された時、真っ先に買って真剣に意味を考えた一人である・・・・・・。

(よし、川尻博士という人物に会ってみよう・・・・・・)

中田は決心した。それが、実に半年にわたる[ノストラダムス計画特別取材班]の活動の端緒(たんしょ)であった。

・・・・・・・・・次号更新【三〇年の臨床体験から確信した予知力の存在】に続く

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