ホラ吹き同士の対決(1)

ロッキー・青木

ロッキー・青木

翌日、午前九時、五番街の『ベニハナ・パレス』で私はロッキーと会っていた。書き忘れたが、ロッキーは五番街に三軒の『ベニバナ』を持っているのである。

「何も、同じところに三軒も持たなくても、それより、他の地区で開店した方が効率がいいのでは」

と忠告する人もあったらしいが、ロッキーは、

「オレはニューヨークを制する。そのためにはニューヨークの心臓部を押えるのが早道だ」

と主張して譲らなかったという。

夜遅く、ロッキーから電話が入った。

私がクレイの件を話し始めると、ロッキーは、初めから、興味を示してきた。そして、

「明日、すぐニューヨークに戻る。午前九時に『ベニハナ・パレス』に来てくれ」

と、言うのだ。

さすがにロッキーである。その行動力に、私は改めて舌を巻く思いがした。

私はこう言った。

「私は以前から、あなたに興味を持ち、『ベニバナ』商法についても、いろいろ研究してきている。たまたま、今度、私がクレイ、フォスター戦をプロモートすることになった。できれば、このチャンスに、日本の誇りである『ベニバナ』を大いに宣伝したい。

クレイ、フォスター戦の記者会見を『ベニハナ』でやってはどうか。新聞、雑誌記者はワンサと集まる。世界中にニュースがバラまかれる。そして記事には必ず『ベニハナ』の名が出るだろう。大いにPRになるではないか。

もしご希望なら、記者会見にはあなたも同席したらいい。PR効果は一層増すに違いない」

資金を出させるばかりか、記者会見の場所まで提供させよう、もしどこかの会場を借りるとなったらこのニューヨークでは会場費だってバカにならないのである。これが私の考えたロッキー攻略作戦の具体的なプランだった。

私は徹底的にPR、パブリシティの線で押している。金のことは最後まで一言も言わなかった。私に金がなくて、記者会見さえ開けない状態だなどとは、むろんオクビにも出しはしない。

・・・・・・次号更新【ホラ吹き同士の対決(2)】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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