石原慎太郎 総隊長 ネス湖探検隊:サンケイスポーツ(昭和48年8月11日)より抜粋

この夏スコットランドに遠征、ネッシーを生け捕りしようという「ネス湖怪獣国際探検隊」(吉田晋作隊長)の総隊長に衆院議員の石原慎太郎氏が決まり、十日、東京・永田町のホテル・ニュージャパンで記者会見した。

石原慎太郎 総隊長 ネス湖探検隊:サンケイスポーツ(昭和48年8月11日)より抜粋

ネス湖探検隊について発表する石原慎太郎(左)と康芳夫チーフプロデューサー=東京・永田町のホテル・ニュージャパン

生捕り?さあネ

同探検隊のチーフプロデューサー、康芳夫氏と映画製作を通じて知り合った友人同士という関係で総隊長を引きうけた石原氏は

「日本でもようやくダブついた金の使い方がわかったようだ。こういうプロジェクトが日本人の財力で実現するなんて、いいじゃないですか。私もヤジ馬隊長として、国会にさしつかえないかぎり現地でがんばりたい」と抱負をひとくさり。

もっとも”ネッシーの生け捕りの確率は?”の質問には

「さあ、そればかりはわからないね」と軽く肩すかししていた。

女性応募者700人

同探検の隊員は、康プロデューサーの説明によると「二千六百二十三人の応募者(うち女性七百人)から、すでに書類選考で隊員候補十三人を選んだ。十三日からは山梨県・本栖湖トレーニングセンターで訓練にはいる」という。

この訓練は二十五日までの予定。ドイツ製の二人のり潜水艇を使用して、スキューバダイブ、水中撮影などの特訓も行い、その結果で最終的に隊員を決定する。一行は八月三十一日、英国に向け出発、十一月末まで探索をつづける予定。

まず存在を確認

康芳夫氏の話「探検に必要な一億五千万円は、スポンサー名はいえないがすべて調達ずみ。スコットランド政庁との話し合いも、ネッシーの存在を確認することが第一条件という点で折り合いがついた。すべて予定通りすすんでいるので、探検はきっとうまくいくと思う」