「血と薔薇」宣言

康芳夫、澁澤龍彦を語る(6)

今、『血と薔薇』が4冊並んでいることはほぼないけど、昔は4冊並んでいると15万とか20万くらい値段がついた。一度当時の編集者が河出から復刻させたんだけど、権利は僕のものだからそれは法的に差し止めた。4巻で終わっちゃったのは、うちの会社もおかしくなっちゃったし、経済的な理由もあって、やめちゃったんですよ。その後僕は最終的にパートナーだった神彰と別れて、それでモハメド・アリをやったわけ。

『血と薔薇』は当時1冊1000円ですから、今で言ったら1万円で、最初の本格的なエロス美学雑誌とは銘打ってたけど、実際は高級エログロ誌。ただ、あの頃は情報が拡散してなくて、今は情報が極度に分散している。もう、ああいう雑誌をつくるのは物理的に無理だと思いますね。

・・・『虚人と巨人 国際暗黒プロデューサー 康芳夫と各界の巨人たちの饗宴』より抜粋

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