『滅亡のシナリオ』:プロデュース(康芳夫)

プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著)精神科医 川尻徹

ヒトラーの”最終軍団(ラスト・バタリオン)”は実在した!(1)

「これで、ゲッベルスがどれだけ重要な存在か、分かっただろう?彼は善でありながら悪、神の王国を築こうとしながら、同時に人類を迫害する悪魔でなければならない−−−という運命を背負わされて歴史に登場してきたのだ」

またまた意外な博士の言葉に、中田は唸るしかなかった。

「一九四八年に、早くもゲッベルスの伝記を書いたドイツ生まれのジャーナリスト、クルト・リースは、その著『ゲッベルス』の中で、『彼が創造したものは第三帝国とともに滅びてはいない』と言っている。特に『最後の数ヵ月の宣伝は時限爆弾と解釈されるべきで、即効を狙って書かれ、発表されたのではない』として、ゲッベルスの言葉をミサイルに喩えている。中田君、このことは重要だぞ。確かに、彼の言葉は何十年先の未来に向けて、つまり私や君に対して語られているのだ。だからゲッベルスは言っているのだ。『われわれは滅びはしない。終末の時、ふたたび姿を現わすだろう』とね・・・・・・」

「そうすると、ゲッベルスは実体ヒトラーの意に沿って、敗北することを確信しながら、ドイツ国民を総力戦に駆りたてていったわけですね・・・・・・」

・・・・・・・・・次号更新【ヒトラーの”最終軍団(ラスト・バタリオン)”は実在した!(2)】に続く