逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・25
2021年5月10日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・25 三島由紀夫は、「この作品の諷刺やアナロジーを過大評価してはいけない」(『小説とは何か』と、したり顔に忠告しているが、このような小説から「諷刺」や「アナロジー」をとり去ってしまったら、辛 […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・3
2019年11月20日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・3 ユートピアは、往々俗識に背いて、アンチ・ユートピアの形をとることも、言い添えておく必要がある。簡明に、影像的比喩として語るならば、けだるい逸楽的な大気に包まれた田園に、獣類、鳥類、植物、 […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・9
2020年3月6日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・9 それでは、と読者は再び問われるに違いない。そのような屈辱を与える白人に対して、黒奴やヤプーの側の憎悪と敵意は無いのか、そのような圧制に対して抵抗は無か切か、と。イース帝国の厳格なヒエラル […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・6
2019年12月20日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・6 未来文明における生体科学の恐るべき発達は、生物の形態や器管の変形・修正を自在にした。多種多様な用途目的に応じて畸形化を蒙ったヤプーたちが、どんな屈従と汚辱の中に棲息しているかーーーたとえ […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・1
2019年10月9日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・1 ジャン・ジュネの作品、たとえば『花のノートルダム』を一読して、私の感得するものは、ある比類ない優しさである。「飛び疲れて、電柱にとまっていたら、風が来て、いら草の溝(どぶ)へ吹き落した、 […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・8
2020年2月18日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・8 ところで、読者は問われるに違いない。ヤプーをそこまで虐待する白人の側に、いったい罪悪感は無いのか、と。結論を先に述べれば、そんなものは綺麗さっぱりと無いのである。 ヤプー猿人説は、最初政 […]