康芳夫×谷川貞治 対談・・・2
康 「今もそうですが、何をやるにも自分が楽しむことが一番です。ただ、周りからはそれが容易に見えるかもしれないけど、現実的には解決するべき問題もたくさんあるからね。だから冷静でいるというか、孫悟空を手の平で弄ぶような感覚を持たなければならない。『地球を手玉にとる』と言われたこともありましたよ(笑)」
谷川 「『アリVS.猪木』戦のときは何をやられたんですか?」
康 「簡単に言えば、モハメドのマネージャーや弁護士と折衝するコーディネーションだね。裏話なんだけど、モハメドは車に乗る時、窓から腕を出す癖があるんですよ。それで、アメリカだったら車道が広いからいいけど、日本だと何かにぶつかって怪我をする危険性もある。そんな細かいことまで想定して契約書を作ったりしましたね」
谷川 「何か不備があったら、破産どころじゃないくらい、大きな額が動く契約ですよね?そんなビジネス的な考えを持ちながら、一方でアリという人物に対して真剣に惚れているという、情熱を失わないバランス感覚が他の人にはないですよね」
・・・次号更新に続く