昭和四十四年
『ぜひ、あれを見つけ給え。あれこそは戦後最大の傑作だよ。
マゾヒズムの極致を描いたまったく恐ろしい小説だ。
出版する価値のある本だ』
そう三島由紀夫は小生に熱を込めて家畜人ヤプーの内容を語りつづけた。
◆小説(幻冬舎アウトロー文庫)
◆劇画(辰巳出版)
石ノ森章太郎らが描いた「家畜人ヤプー」全4巻が電子書籍に
http://natalie.mu/comic/news/113442
◆◆石ノ森章太郎(監修&作)「劇画家畜人ヤプー」電子版より◆◆
【瀬部麟一郎(せべ りんいちろう)】
物語の主人公。日本人ゆえに家畜人ヤプーに改造されていく。
未来社会で去勢され、クララの小水を浴びせられ、家畜人としてクララに使える宿命。
ドイツに留学しているときに、クララと恋人となり、結婚を約束していた。
円盤が墜落した時、水浴中。クララの身を案じたため裸のまま円盤の中へ。
そのため、搭乗者のポーリーンにヤプーと誤解される。
円盤は、未来からきたタイム•マシンなのだ。
ポーリーンは、クララと麟一郎を未来社会に連れていく。
物語のヒロイン。麟一郎の恋人だったが、
未来社会のイースに連れていかれ、その社会の常識に染まっていく。
すなわち、白人が人間で、日本人は家畜というものである。
クララはドイツ人なので人間、麟一郎は家畜というわけだ。
家畜と婚約していたことを恥じ、後悔し、
やがては、去勢され、改造された麟一郎をペットのように、リンと呼ぶようになる。
もう一人のヒロイン。麟一郎とクララの人生を変えてしまう人物。
未来社会のイースから、誤って現代のドイツにタイム•マシンである円盤で墜落。
連載当時の60年代に墜落となっている。イースではジャンセン家は、侯爵。
ポーリーンは、検事長。といっても、SFなので、シリウス圏の検事である。
麟一郎を原ヤプーと誤解し、その原ヤプーを愛しているクララの目を覚まそうとして、
未来社会のイースに連れていく。
途中で、誤って60年代に墜落したことを知るが、もはや、後戻りはしない。
円盤の中で衝撃牙で麟一郎を咬み、全身を麻痺させる猟犬。
ポーリーンが飼っている。
ネアンデルタールハウンド、
つまり、古石器時代人狩猟犬である。
ヤプー。犬族大学を首席で卒業。