ニッポン最後の怪人・康芳夫

康芳夫、澁澤龍彦を語る(1)

澁澤は、もちろん本格的に知り合ったのは『血と薔薇』なんだけど、僕は彼とはいろいろ交流があり、彼の知恵袋でもあった種村季弘を学生時代からよく知ってたから、彼の書いた色んなものを読んでいた。

ただ澁澤の場合、美学って言ったってみんな毛唐の受け売りですよ。全部ネタ本があるわけね。そんなこと言ったら三島だってある意味でそうなっちゃうけど。

サド裁判の時ね、澁澤がサドを訳して告訴されて法廷に立って権力に対応した時、僕は彼をちょっと見直した。

でもそれ以外に、世間では澁澤美学っていうけどね、全部輸入品というか、加工品だよね。

・・・『虚人と巨人 国際暗黒プロデューサー 康芳夫と各界の巨人たちの饗宴』より抜粋

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