虎と空手武道家の死闘ショー:東京中日新聞(昭和52年1月6日 木曜日)

虎と空手武道家の死闘ショー:東京中日新聞(昭和52年1月6日 木曜日)

”呼び屋”の康芳夫が企画した”虎(とら)と人間の死闘ショー”に対し四日、スイスの世界野生動物保護協会などから”待った”がかかったが、康氏は、五日東京・半蔵門のダイヤモンドホテルで「ショーは予定通りやる」と、大見えを切ってみせた。

あくまでやるぜ 康氏が宣言

康氏によると、ショーは二月五日、南米ハイチのサッカースタジアムで行う予定で、使われる虎は、インド・ベンガルで捕えた体重百七十キロの人喰い虎。一頭千ドル(三十万円)するものを二頭用意してあるという。

ファイト料百万ドル

虎とデスマッチをするのは、北九州八幡西区に住む空手武道家の山元守さん(三八)で、十三歳の時から拳法の道へ入り、いまでは、”インターナショナル・カラテ・養秀会”の会長を務めている。

山元さんのファイトマネーは、約百万ドル(三億円)といい、これまで加入していた生命保険はすべて解約、無保険で闘う。

万一に備えそ撃兵

康氏は、ショーのプロモーター役で、「万一に備えハイチ軍隊からスナイパー(そ撃兵)を付けることを条件に、同国政府から首都ポルト-プランスにあるサッカー場を借りることに成功した」といっている。

当日は、三ドルから百ドルの入場料で二万八千人の観客を動員する一方、通信衛星を使ってのテレビ宇宙中継も計画、米CBSから引き合いがあるという。

また、試合のもようを撮影、劇場用映画として世界へ売り込む。