大映京都撮影所:勝新太郎、モハメッド・アリ、康芳夫

大映京都撮影所:勝新太郎、モハメッド・アリ、ロッキー青木、康芳夫

これはもうマスコミに何度も言ってますが、大島(渚)、死んじゃったけど若松(孝二)、大学が一緒だった久世(光彦)君とかね、彼らが盛んにオレに「俳優になれ」と

『ビオクラシー 福島に、すでにある』より小生インタビュー抜粋

―そしてそんな現代、「世を睥睨するスフィンクス」としてのお立場から、俳優業を開始されましたね?

康 俳優業はね、これはもうマスコミに何度も言ってますが、大島(渚)、死んじゃったけど若松(孝二)、大学が一緒だった久世(光彦)君とかね、彼らが盛んにオレに「俳優になれ」と。

―皆さんなぜ、康さんを誘われたんでしょう?

康 それはオレにそういう素質があると思ったからでしょう。でも、そのうちに時間が経っちゃって、機を逸して。

彼ら曰く、「君の顔の表情は『虚構の時代のナゾ』そのものだ」と。意味がわかった様な、わかんない様な感じだったね。

―勝新太郎さんからも、「役者になれ」と。

康 もちろん。まあ、勝ちゃんの場合は冗談半分だけど「お前、やれよ」と。そういう意味ではテッシー(勅使河原宏)にも誘われました。

―勅使河原監督作品で康さんを観たかったです。

康 具体的に言うと、「燃えつきた地図」(安部公房原作/1968年)ですよ。あれは勝ちゃん主演で、オレと勝ちゃんの付き合いもそれ以来。

これは余談になるけど、勅使河原がなぜ、事件の時に法廷で勝ちゃんを擁護したかというとね、彼らには切っても切れない縁があったわけ。みんな、「なぜテッシーが勝ちゃんを」って不思議に思ったし、勝ちゃんも妙なインテリ・コンプレックスみたいのがあって、「勅使河原に拾われた」というのは、彼としても非常に嬉しいことだった。そんな縁もつくった、「燃えつきた地図」は原作もすごいし、非常に面白い映画ですね。

そして今は、熊切(和嘉監督)君が、「家畜人ヤプー」映画化の件で僕のところに来ているから。

―最近の康さんの展開を拝見していて深読みすると、すべては「ヤプー映画化」に繋がっていくように感じます。

康 密接に繋がっていきます。この間も、熊切君の出世作「鬼畜大宴会」(1998年)を改めて観たんですが、彼は十分にヤプーを映画化する素質を持っています。

・・・以上、『ビオクラシー 福島に、すでにある』より抜粋