ニッポン最後の怪人・康芳夫

この乾ききった社会においては、すべてのことが

この乾ききった社会においては、すべてのことが「科学的判断」と経済至上主義に支えられた「市民的良識」に委ねられ、それに反するものはことごとく排除される運命にある。

そのような、一種ネオファシズム社会の変形とも言える超高度管理社会だからこそ

その間隙を縫うようにときおりカルト宗教が流行ったり、超常現象がもてはやされたり、占いブームが起こったりするのは、ある意味、必然的と言えよう。

近年、よく起こる理解を超えた異常な犯罪もこうした背景とは無縁ではない。こうしたことを一個人の病理として片付ける以前に、この社会そのものが大きな病理に陥っている可能性をこそ問わなければならないと思う。