石原総理なら大臣に起用!?(1)
昭和五十八年。
「ノアの箱舟探検隊」を組織しました。
まだバブルの弾ける前の日本を、走り回って康芳夫はスポンサーを集めたのです。
確かめてはいませんが、関係者から僕自身が聞いた話では、いろんな企業から康芳夫は実に三十億円もの資金を、喜んで出させたといいます。
以前から親しくしていた僕は、この探検隊の副隊長を、康芳夫に頼まれたのですが、女房殿は、
「その歳まで何とか生き延びたんだから、アラビアなんかに行って、そんな舟なんて探すことはないわよ」
なんて否定的なことを言うのですが、これは康芳夫に会ったことがないからです。
会ってしまったら最後、康芳夫を拒める女はいないし、出資や配役を断われる男も、日本にはまずいません。
・・・次号更新に続く