康芳夫

虚業商売は何も発想だけが非常識であるのではない。実行の段階においてもきわめて「非常識な力」を要求される

たとえば、資金繰り一つとってもそうだ。虚業商売という博打稼業に銀行はなかなかお金を貸してはくれない。ボリショイ・サーカスのときは公演がひじょうに儲かった上、公演自体も定期化していたので、初めのうちは銀行も融資をしてくれたが、そのうち情勢が変わって途中で打ち切られてしまった。

銀行から借りれないとなると、今度はお金を持っている人間のところに頭を下げにいかなくてはならない。必要な資金のボリュームというのはたいがいどの企画も町金融レベルから借りてまかなえるようなものではない。

だから借りに出向く個人というのは大物相場師からオーナー企業家、地方の素封家といった相当なお金持ちばかりである。中にはPL教団の御木徳近師のような宗教家もいた。

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康芳夫

-康さんはそんなアリ然り、他にもマイルス・デイビスにウガンダのブラック・ヒットラーことアミン大統領、国内なら正力松太郎さんから児玉誉司夫さん等々、表、裏の大物たちとお会いになってきました。その中で「本物の大物」と感じた方はどなたですか?

康 それはやっぱり御木徳近さん。PL教団の教祖。

康芳夫が唯一オーラを感じた大物人物とは?

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