ニッポン最後の怪人・康芳夫

トランプ大統領登場によってアメリカは勿論ヨーロッパ各国を中心に「ネオファシズムの再来」がいよいよ現実的になってきた

ヨーロッパ各国にもネオファシスト大統領が続出しつつある。

トランプ問題はさておきヨーロッパ各国ににおける現状況を今から三十数年前に暗示的に予告したのは、他ならぬ福田和也君であった。

彼は最初の著作「奇妙な廃墟―フランスにおける反近代主義の系譜とコラボラトゥール (国書刊行会発行 絶版)」において、小生の判断ではおそらくヨーロッパ各国のファシズム専門研究家に先んじて現状況を正確に予言していた。

何故か日本の言論界ではこの書物の存在はほとんど完全に無視され、小生も「家畜人ヤプー」全権代理人として、パリの出版社で同書を翻訳刊行している。

その縁もあって、福田和也君の同意のもとに十数年前、仏での同書翻訳刊行を企画したがパリの出版界が、ほとんど完全にユダヤ系資本に牛取られていて、実現不可能だった苦い経験がある。

政治的現象としての「ファシズム」はナチス政権下において極めて苛酷な結果を招き、以降「グローバルなタブー」として、腫れ物扱いさえている訳だが「哲学」としてのファシズムに関しては、我々は今日の極めて切実な状況下において、根本的に再検討する必要があるのではないだろうか。

これに関してはいわゆるスターリン体制その他における政治的現象としてのコミュニズムと「哲学」としてのそれを区分する必要があるのとまったく同様である。