康芳夫

虚人(康芳夫)、虚人(康芳夫)を語る(1)

僕自身はというと、自分を右も左も、すべてを総括してその上に立ってると思ってるから。

それをニヒリズムと呼ぶのか、アナーキズムと呼ぶのか、それらさえも僕は総括してると思ってる。僕は全体を乗り越えていると思ってるから、だから掴みようがないと言えば掴みようがないし、今は他にそういう人はいないね。「鵺」みたいだってみんなが僕のことを言うけれど、それはある意味でそうかもしれない。

しょっちゅう批判めいたことも言われるけど、みんなオレに煙にまかれちゃって。アウトローというか、アウトサイダーというか、異端者というか。みんな気持ち悪がっちゃって。

僕自身が誰かに惹かれるということはないんだよ。あるのは興味を持つということ。こないだも宇野常寛君と大論争やったんだけど、常に新しい人に興味を持って付き合うってことはある。だからいつも「若い」って言われるんだろうな。一番新しいところに傾いて行くって言われるけど、新しいもの全部に興味を持つわけじゃないよ。馬鹿なものは相手にしない。駄モノはね。

「世を睥睨するスフィンクス」っていうのは、僕は全体を見てるから。今の左翼も右翼も付き合いがあるし、全体を見て総括ができるのは僕だけだと思ってます。

それをただ「バランス感覚」と呼ぶと、ただ足して2で割るというようなものに近い。でも僕のバランス感覚っていうのは、左翼と右翼のなんたるかを、本質的に思想的に、僕はわかってるつもりなの。その上でそれぞれのいいところをとって、要素として入れて、問題のかたちを創っていくというね。だからそれは足して2で割る、いわゆるバランス感覚とは全然違う。

・・・『虚人と巨人 国際暗黒プロデューサー 康芳夫と各界の巨人たちの饗宴』より抜粋

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