政治、金、宇宙、ヒトクローン・・・時代を”騙した”ふたりが夢見る 未来世紀ニッポンとは?

”昭和の怪人”康芳夫×”平成の革命児”堀江貴文

東大同窓生異次元超人類対談(康芳夫×堀江貴文)

プレイボーイ weekly(2009・12・14・No.50 収録)より

昭和と平成を。描いた夢は違えど、二ッポンを大いに熱狂させ、そして、その何倍もの非難を浴びた。ひとりは”騙し屋”と疎まれ”ひとりは”乗っ取リ屋”のレッテルを貼られた。ただ、そんな非難は彼らにとって取るに足らないことなのかもしれない。未来へ、気が遠くなるほど大きな夢、終わりのないロマンを追い求めて---。

---康さんは”ヒトクローン計画”に関わられているとか。

康 クローンに関しては、法律的なことがまだ整備されてないんであんまり具体的なことはいえないんだけどね。それがまったく合法的な国っていくつかあるんですよ。マッドサイエンスとマッドキャピタリズ厶の連鎖反応という意味では金儲けにつながっているんだけど、それを超えてもっととてつもないロマンがある気がして。堀江君はクローンに対してどういうお考えを持っていますか?

堀 クローニングそのものよりも、もっと実現性が高い過渡的なニーズとして、万能細胞を使って脳細胞の修復をしたり、心臓を20~30個も作ったりとか、そういう技術に興味があります。

康 具体的で、よくわかります。

掘 心臓がたくさんあれば、1個壊れても平気でしょう?あれはただのポンプで体の中で協調して動いていればいいわけで、協調は別にコンピュー夕ー回路でできるわけだし。”長生きプロジェクト”っていうのがあって、それは宇宙開発と不可分なんですよ。

康 ああ、そうだなあ、うん。

堀 さらに僕は、五感を通してのイン夕ーフェースだけじゃなく、脳と直接結びつけるワイヤレスのイン夕ーフェースを作りたいんです。映画の『マトリックス』とか 『マルコビッチの穴』を観るとわかるんですけど、宇宙にはものすごい集合的な知的生命体が実はいろんなところにいるのかな、みたいな。不老不死とか、それこそ宇宙的なものになったら時間の概念すらないわけで。

康 彼は非常に重要なことを言っていて、時問の概念や宇宙の広さは人間が本来考えるべきことじゃないんです。

堀 脳っていうのはけっこう柔軟性があって、何もなかったところに刺激を送ってやると、突如回路ができてくる”ダイレクト・コミュニケーション野”みたいなものがあったとして、そこを無線通信で結びつけ合うとものすごいスピードで考えていることを伝えられる。そんな”スーパー人類”みたいなものが出てきたらロすらも退化するかもしれない。

康 機能が変化するってことだよね。今、宇宙とかクローンの問題から発展したんだけど、堀江君はおそらく今の宇宙理論物理学者や生物学者よりよっぽど先をいっている。僕はそもそも時間とか空間の広さを人間が考えたこと自体がとんでもないことだと思ってるんですよ。アインシュタインも最後は行き詰まっちゃって、結局、宗教家になっちゃいましたね。

堀 彼が、いつか宇宙が終わることを恐れたっていう話がありますけど、実際ホーキングの本を読んでも同じ話になっていて、要は人問理論みたいな、人間が宇宙だと認識するからこそ宇宙は存在するんだというような話にまで言及してますよね。

康 ホーキングの一番新しい本を読むと、ギリギリのところまできちゃっていて、ここから先にいったら精神病理学が言うところの発狂状態に入っちゃう。

堀 僕は、そこはもっと突き詰められる気がするんですけど。

康 そうですか。

堀 ただ、永遠に続くマトリョーシカみたいな、終わりがないっていう・・・。どこにつながっているんだろう?どこにもつながってないんじゃないか、って。

康 堀江さんは非常にリアリスティックだから、次から次に紐をを解く、イタチごっこを続けることに刺激を感じているかもしれないけれど。僕は、そんなものはオモチャみたいなこと(笑)。

---康さんは、いわゆるロマンを追い続けることも、人生の「退屈しのぎ」にすぎないっていうことをよく言われています。

堀 僕の中では常に考え続けていて、こないだ別の本を出す時、そこが仏教系の出版社で「それは瞑想修業っていうんですよ」って言われて。仏教は「死」から発生したもので、僕は自然とずっと何かをやって、刺激的なことをどんどん追い求めていく。刺激って終わりがないじゃないですか?その代わり人問は3つの魔法の呪文を与えられていて、それは「食欲」、「性欲」、「睡眠欲」。これは毎日リセットされて、そういうものに助けられながら、新たな刺激を追い求め続けていくことが生きていく上では根本的なことかな、と。

・・・以上 プレイボーイ weekly(2009・12・14・No.50 収録)より抜粋