逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・6
2019年12月20日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・6 未来文明における生体科学の恐るべき発達は、生物の形態や器管の変形・修正を自在にした。多種多様な用途目的に応じて畸形化を蒙ったヤプーたちが、どんな屈従と汚辱の中に棲息しているかーーーたとえ […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・3
2019年11月20日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・3 ユートピアは、往々俗識に背いて、アンチ・ユートピアの形をとることも、言い添えておく必要がある。簡明に、影像的比喩として語るならば、けだるい逸楽的な大気に包まれた田園に、獣類、鳥類、植物、 […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・1
2019年10月9日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・1 ジャン・ジュネの作品、たとえば『花のノートルダム』を一読して、私の感得するものは、ある比類ない優しさである。「飛び疲れて、電柱にとまっていたら、風が来て、いら草の溝(どぶ)へ吹き落した、 […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・18
2020年11月9日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・18 その首尾一貫性の意味を探るためには、この奇怪な書物の著者沼正三に視線を転じなければならない。 出版社との交渉等も一切代理人に委ね、一時死亡説さえ囁かれたこの謎めいた作家について、私は何 […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・14
2020年6月1日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・14 何にまれ、久しく保持されてきた視座をくつがえし、新しい地平を開くには、思い切った転換が必要となるが、マルクーゼの構想が、歴史的過程のうちで失われた過去の神話時代への回想を根底にもってい […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・4
2019年11月27日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・4 わが国では、早くも明治十五年に出た井上勤の翻訳がモアの「ユートピア』紹介の最初である。しかし、早い時期に最も正統的なお手本を輸入した割には、わが国のユートピアの歴史は貧しい。思うに、日本 […]