康芳夫

虚人(康芳夫)、虚人(康芳夫)を語る(5)

普通の市民社会というのは、グローバルな意味で人間の共同社会であって、でもそれも理論物理学の問題とか、本質的に問題を追求していくとわからないことばかりなんだ。それはごく一部の人が目覚めているだけで、市民社会全体が目覚めているわけでもなんでもない。でも本来は、それでも無難に運行していればいいわけですよね。

それで収まらなくて、三島が出てくるとか色々あるわけだ。三島も市民社会の在り方に根本的な疑問を投げかけてきて、それでああいう事件をおこしちゃった。つまりそれがラディカルリズムで、究極なんだけれども。

それはね、ただ蓋をしておいていいという問題ではないわけ。吉本は三島の事件に関して、かつて同じ考え方を持ってて、個人的に知ってたわけじゃないけどたまたま歳も近くてある意味盟友で、彼にとってあまりに痛切な問題なわけ。

それで沈黙を守っちゃった。

・・・『虚人と巨人 国際暗黒プロデューサー 康芳夫と各界の巨人たちの饗宴』より抜粋

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