ホラ話で『ニューヨーク・タイムズ』に一ページの記事を書かせた「康芳夫」さん
カシアス・クレイ(モハメド・アリ)、トム・ジョーンズを来日させ、ネッシー探検隊結成や『家畜人ヤプー』の出版等、数々のスキャンダラスな「伝説」を残した康芳夫さん。ぼくは、そんな康さんから回想記のゴーストライターを依頼された
一九七四年二月三日、ニューヨーク・タイムズ日曜版は、ほぼ一ページを割いて康芳夫さんのことを取り上げた。
七◯年に三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊駐屯地に乱入、割腹して死んだ時、ニューヨーク・タイムズがどのくらいの扱いをしたかご存知だろうか。たった四分の一ページである。
「世界的な大作家の三島が腹かっさばいて、自分の命と引き換えに四分の一ページ。ぼくはホラをひとつ吹いて一ページ。ま、ページが多いから三島よりエライなんてことはいわないけどね」
前回、出版界に”怪人”が二人いるとして、小石原昭さん(知性コミュニケーションズ代表)のことを書いたが、出版界、もうひとりの”怪人”が康芳夫さんである。
・・・次号更新に続く