虎と空手武道家の死闘ショー:東京中日スポーツ(昭和52年1月6日)より抜粋

虎と空手武道家の死闘ショー(3):国士舘師範山元守

私が忘年会の会場に出向くと、両側にいかにも凶暴そうな顔と体格をした連中が二◯人ずつまっ黒の詰襟を着て整列している。その間を歩くと「オッス!」といっせいにドスのきいた声が響きわたる。私が中央の上座に座ると、その後しばらくして山元師範が入ってきた。

すると、何と彼はその両側に並んだ連中たちをボカボカと本気で殴りながら入ってくるのだ。

殴られた部員たちは血を流しながら必死で体勢を立てなおし、顔を正面に向け「オッス!」と大声で答える。両サイドにいる約四◯人の頭や顔を本気でぶん殴り、山元守は私の横にどっかと座ったのだ。いかにもいかつい顔で、部員たちをにらみつけていたが、私は「よろしく」と簡単な挨拶をかわしながらも内心「こいつ、頭がおかしいんじゃないだろうか」と苦笑いしていたものだ。とにかくこれが山元との最初の対面だったのだ。

・・・虎と空手武道家の死闘ショー:続く

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虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝/康芳夫(著)より

マスコミの連中から毎回、同じ質問を浴びせられるのだ。
「何でこんなことするんですか?」と。

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