康芳夫×谷川貞治 対談・・・1

康芳夫×谷川貞治 対談【月刊キング(2007年11月 NO.14 より)】

康芳夫×谷川貞治 対談【月刊キング(2007年11月 NO.14 より)】

谷川貞治(以下、谷川) 「『モハメド・アリVS.アントニオ猪木』戦が行われた日、僕は中学3年生で、ちょうど修学旅行で東京に来ていたんです。日本武道館の前を通って、もう『バスから飛び降りてでも観に行きたい!』ってくらい興奮してました。結局は、宿泊先の旅館の大広間で、テレビの前に生徒全員が集まっての試合観戦。『インチキだ!』とか『そんなことない!』とか、みんなでワイワイやっていたのを覚えています」

康芳夫(以下、康) 「結果としてだけど、そこからヒントを得て、今の『K-1』に繋がっているのだとしたら嬉しいね」

谷川 「大学を卒業してから20年以上も格闘技の世界にいて、いろいろな仕掛けを自分なりにやってきたと思うんですよ。だけど『アリ×猪木』戦を超えるイベントは実現できてない。当時のボクシング世界チャンピオン、しかもモハメド・アリという他とはレベルの違うスーパースターと、歴代の中で最も輝いたプロレスラーである(アントニオ)猪木さんを日本で戦わせようなんて、誰も思いつきませんよ(笑)」

康 「変な話、僕は格闘技の世界でプロフェッショナルではないからね。ただの『思いつき』でしたから(笑)。それより『K-1』という形に「定着させること』の方がすごいと思いますよ」

谷川 「周りを巻き込む力が半端じゃないと思うんですよ。ネッシー探索にしろ、石原慎太郎さんを総隊長にして、テレビ局に巨額の金を出させて・・・・・・得体の知れない、言ってしまえば「虚業』で人をアッと驚かせて、さらにビジネスとしても成立させるすごさは、もう本当に偉大ですよ」

・・・次号更新に続く