原理主義がはびこる世の中はあぶない
現代社会はおそろしく変化が激しい。人々の好みや価値観、企業が作り出す商品、すべてが絶え間なく流動し、変化し、動き、そうした雰囲気を眺めていると、まさに世の中は相対主義的な価値観ですべてが覆われているかのように感じられてくる。
しかし、ものごとの現象にはどんなものでも振り子のように一つの極があれば、その一方に正反対の極があるものである。
多種多様な価値がシャッフルされ相対主義的な光景が世界規模で展開しているかと思えば、それに反比例するかのように強固な原理主義がいたるところで芽を吹き出してやまないというのが今の世の中だ。原理主義とは、ある価値が絶対的なものと信じられることでそうなる。何も宗教の世界だけの話ではない。
・・・以上、虚人のすすめ―無秩序(カオス)を生き抜け (集英社新書)より抜粋