ali world heavy-weight boxing mash 15R.1972・4・1 NIPPON BUDOKAN

ali world heavy-weight boxing mash 15R.
1972・4・1 NIPPON BUDOKAN

プログラムP4

プライム・オーガニゼーション・インターナショナル・スタッフ

チーフプロデューサー 康 芳夫

これは芸術です

これからここで繰り展げられようとしているのは、一つの競技会ではなく、長年の間私たちがこの目でじかに目撃することを待ち望んできた芸術の祭典です---そう私たちは思っています。

私たちが初めてカシアス・クレイの姿に触れたのは、8年前、彼がリストンの持つ世界タイトルに挑戦したときでした。一目見た瞬間、これはタダモノではないということを、私なちは覚りました。私たちはボクシングに関しては門外漢でしたが、リングの上を舞うように縦横自在に往き来するその動きを見ただけで、彼が一般のボクサーの概念をはるかに超えた存在であることが感じられたのです。

彼にあっては神経と肉体が完全に一致しており、その動きは機能的な極限に達しています。彼の言葉どおり、190cmの巨体が、チョウのように舞い、ハチのように刺す。これはまさしく芸術以外のなにものでもありません。