逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・11
2020年4月9日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・11 白人たちは、高度の文明の恩恵に浴し、ヒエラルキー最上位にあって、黒奴やヤプーの奉仕にかしずかれる生活を享受している。それはそれで、充分快適な状態に違いない。しかしながら、それは、ヤプー […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・3
2019年11月20日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・3 ユートピアは、往々俗識に背いて、アンチ・ユートピアの形をとることも、言い添えておく必要がある。簡明に、影像的比喩として語るならば、けだるい逸楽的な大気に包まれた田園に、獣類、鳥類、植物、 […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・18
2020年11月9日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・18 その首尾一貫性の意味を探るためには、この奇怪な書物の著者沼正三に視線を転じなければならない。 出版社との交渉等も一切代理人に委ね、一時死亡説さえ囁かれたこの謎めいた作家について、私は何 […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・19
2020年11月30日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・19 容易に医す術のない内的飢渇のカタルシスを果たすために、沼正三は雑誌「奇譚クラブ」に、「ある夢想家の手帖」と題して、マゾヒズムに関するエッセイを連載するのだが、やがて、SF的手法と壮大な […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・9
2020年3月6日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・9 それでは、と読者は再び問われるに違いない。そのような屈辱を与える白人に対して、黒奴やヤプーの側の憎悪と敵意は無いのか、そのような圧制に対して抵抗は無か切か、と。イース帝国の厳格なヒエラル […]
逆ユートピアの栄光と悲惨:家畜人ヤプー解説(前田宗男)より・・・16
2020年7月17日
逆ユートピアの栄光と悲惨・・・16 こうして、空中列車の客室の中で三時間がたっていく。馴致椅子の背革の上では、人間とヤプーとの興亡の歴史を夢に学びつつ眠る美女の三時間が、背革の下では、彼女の身体をささえ、快く主人を揺すり […]