虎と空手武道家の死闘ショー:東京中日スポーツ(昭和52年1月6日)より抜粋

虎と空手武道家の死闘ショー:東京中日スポーツ(昭和52年1月6日)

狩猟文化の時代がやってくる

日本人はよく農耕民族だと言われる。農耕は、狩猟では安定しない食料供給のリスクを回避するために生み出されたシステムだ。

狩猟的な感覚の強い資本主義社会においても、日本人の感覚はうまくこれまで機能してきたと思う。

しかし、資本主義が市場原理主義やグローバリズムによってかき回されると、本来農耕的な感覚でやってきた日本社会が蓄積してきたものはあっという問にご破算になってしまう。せっせと蓄えた富は瞬く間に国外へ移動したり、ゴミになる。頭脳は流出し、技術も移転してしまう。

このように農耕的な感覚でやっていくとこれからの時代はかえってリスクが大きくなる可能性がある。

その意味でこれから重要になってくるのは、本能に近い狩猟的な感覚だ。

・・・以上、虚人のすすめ―無秩序(カオス)を生き抜け (集英社新書)より抜粋