1977年!
ベンガル虎対日本人空手家の対決を
南国・ハイチの大統領が許可!
アメリカのTV局
NBCと康芳夫が
放映権の契約を結び
その額 約5億円!
(現在の価値で20億から30億)
試合が1秒でも行われれば
振り込まれるという
内容だったッ!
変人偏屈列伝:このハイチが君が虎の対決できる世界で唯一の場所だッ!
虎と空手武道家の死闘ショー(11):特注フェンスのリング
空港に降り立つと、ここでもウガンダ同様国賓扱いで迎えてくれた。タラップの両側に軍や警察関係の正装した士官たちがズラッと並んでいる。そしてパトカーで先導され迎賓館に向かった。そこは日本の迎賓館と瓜ふたつで、ライトアップされたおごそかな雰囲気がなかなかすばらしい建物だった。ただし日本とちがうのは重装備した戦車が二重に迎賓館をとりまいていたことぐらいだろう。アミン大統領と並ぶ独裁政治、恐怖政治で知られていたデュバリエ大統領一族は、ハイチ共和国を力で制圧していたのだ。
それともうひとつ気になったことがあった。大統領に会えなかったことだ。予定では当日、大統領とのディナーや拝謁式などが用意されていたのに、ついに本人は現れず、スポーツ大臣やら何やらと仰々しい肩書きのついた政府高官と歓談しただけに終わったのだ。少しおかしいな、とも思っていたが、私は会場の場所の下見や細かな条件をどんどんと詰めていった。
会場はこの時もサッカー場に決めた。特設のリングを設営して、そこで試合をするわけだ。ただし、相手がトラだからただのリングではできない。そのリングのまわりを特注のフェンスで囲う必要があるのだ。私は業者に一万ドルほどでその特注フェンスを発注した。広さはボクシングリングの約五倍ほど。そしてそのフェンスの上の四隅に、ライフルを持ったプロの狙撃兵・スナイパーが陣どる予定だ。いざという時にはトラを狙って撃つのだ。しかし、もちろんそれはギリギリ最後の局面に限られる。やるかやられるか。一撃で倒さなければその瞬間、あの鋭い牙で山元は八つ裂きになってしまう。あくまで命がけの真剣勝負なのだ。
・・・虎と空手武道家の死闘ショー:続く