50年の付き合いがあるというふたり。左が康氏、右が花田氏
ユダヤを激怒させて廃刊! 日本出版界最大のタブー「マルコポーロ事件」の真相を当時の編集長が語る! 花田紀凱・康芳夫対談
今回の対談企画実現にあたり、最も聞いておきたいテーマのひとつが、《世界最大のタブー》に花田紀凱が切り込んだ「マルコポーロ事件」であった。
戦後最大の奇書『家畜人ヤプー』の全権代理人として、出版界にも暗躍してきた康芳夫曰く“語り継ぐに値する”という『マルコポーロ』誌は、どのような経緯で廃刊に追い込まれていったのか、遂にその真相が明かされる――!
康芳夫(以下、康)「今や花ちゃんは超タカ派のこの雑誌(『WILL』)の編集長だからな」
花田紀凱(以下、花田)「タカ派じゃないですよ、中道です。左から見れば真ん中が右に見えるってことです」
康「この雑誌は左、左翼を締め上げたり潰したりしてるけど、あんまり潰しちゃって敵がいなくなると、今度は商売ができなくなるんだろ」
花「そうなんですよ」
康「適当に生かしとかないとな(笑)、ま、この本もまた売れまくってるんだ」
花「いやいや、今の出版不況の中では頑張ってるって程度ですよ」
■「週刊文春」、リベラル右派を守りきれず?
康「『週刊文春』はこれから続いていくわけだけど、大問題を起こさないだろうね?」
花「あの会社はオーナーもいないし、いい会社なんですよ。社長も代々替わるわけですよ、編集で活躍した人がね。看板の雑誌は文藝春秋なんですよ、それが米びつで、書籍があっていくつか雑誌がある。でも文芸春秋の読者が高齢化して、部数も落ちてるわけ。だから何かで売らなきゃいけない。もちろん又吉(直樹)の『火花』なんてのが最近は売れましたけど、そういうのはいつ出るかわからないでしょ?」
康「まあ、“ハプニング”だな」
花「でも雑誌とか週刊誌は毎週出るでしょ? 売れればある程度の数字は予測できるわけ。だから『週刊文春』が『文藝春秋』とともに、あの会社を支えていかなきゃならない。今は月刊の『文藝春秋』も最近は厳しいから、『週刊文春』は特に頑張らなきゃいけないね」
康「文春の本誌(『文藝春秋』)自体が柱だったわけでしょ? それが売れなくなっちゃってもうどうしようもないところまできちゃった。『週刊文春』は花ちゃんの伝統を継いで調子がいい。本来“リベラル右派”の路線できたからね、やっぱり若い人たちにウケなくなってきた。だからライターを佐藤優と池上彰のコンビとかに切り替えているんだよ。従来は絶対に使わなかったであろう連中を使ってね、今は苦境に陥ってるんだ。屋台骨がぐらついちゃってるから難しいんだよ。花ちゃんだってユダヤ人問題がなければ当然まだ文藝春秋にいたんだろうけど、いったいどういう対策を講じただろうね」
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