『滅亡のシナリオ』:プロデュース(康芳夫)

プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著)精神科医 川尻徹

ヒトラーの影武者(ダブル)さえ、ノストラダムスは予言していた(2)

−−−

奴隷から解放された人の

みかけの影のもと

彼は人々や町を侵害し

若い淫婦をだまして堕落し

彼は間違った関係をもって悪くなり

国土に裏切られるだろう

−−−

中田は反論した。

「博士、でもノストラダムス研究家のヘンリー・ロバーツは、この詩を『ヒトラーの活動とその終末の日、エバ・ブラウンとの結婚についての予言だ』と注釈していますが・・・・・・」

「だが、エバ・ブラウンはどう考えても”淫婦”といったタイプではない。原文の”pute"は娼婦の意味だからね。従来はそこが分からなかったのだが、"彼"をダブルのアロイスニ世と考えてみると、彼は女から女へわたり歩き、妻子を捨てて重婚してしまったこともある。彼なら”若い淫婦をだまして"も不思議はない。そうすると、”みかけの影のもと・・・・・・”以下の文はある重要な意味を持ってくるではないか」

「みかけの影ーーーとは、影武者ということですか?そうすると、アロイスはダブルになりすまして侵略者を演じ、最後には抹殺された、ということですね」

「そうだ。ヒトラーにはダブルがいた、ということを、ノストラダムスはこの詩で予言していたのだよ。さらに、それがアロイスニ世であることも・・・・・・」

中田はまた絶句した。

・・・・・・・・・次号更新【ハウスハウァー教授から学んだ影武者(ダブル)操作】に続く