『滅亡のシナリオ』:プロデュース(康芳夫)

プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著)精神科医 川尻徹

「ゲッベルス=六六六」は何を意味する?

「つまり始まりは終わりであるから、AがZである、と言っているわけだろう?秘数学では、Aは一、Bは二、Cは三・・・・・・といった具合に、アルファベットを数字に換算していき、一連の文字を解読していく。そこで聖書が示すようにAがZになるなら、Zを一、Yを二、Xを三・・・・・・といった数字の置換になるわけだ」

「逆転するわけですね」

「そうだ」

博士は紙片に、サラサラとアルファベットを数字に対応させた表を作っていった。

「で、この逆アルファベットの数字を、ヨゼフ・ゲッベルスの各文字JOSEPH GOB-BELSに対応させていくと、こういうふうになる」(下図参照)

「ゲッベルス=六六六」は何を意味する?

これまで秘数学などやったことのない中田だが、文字を数字に対置させて一種の暗号を解読していく作業だということは分かる。

「で、各文字を全部足すと二一六になるな。これがすごいんだ」

「どうしてですか?」

「二一六とは六の三乗、六×六×六になるではないか」

「あ・・・・・・!」

「六六六といえば、『ヨハネの黙示録』にある”獣の数字”ではないですか!」

「そうだ。第一三章で、人間を迫害するものとして地に上がってきた獣が描写され、最後に、

『心ある者は獣の数字を数えよ。獣の数字は人の数字にして、その数字は六六六なり』

とある。昔から多くの人は、ヒトラーをその数字に当てはめようとした」

「なるんですか?」

「ヒトラーの場合、A=一◯◯とするなど、特別な操作をすると、最終的には六六六になるんだ。だが、『ヨハネの黙示録』の第一章八節には”私はαであり、ωである”という文章があるのだから、ここはどうしてもAの数字をZの数字に置き換えなければならない。また、古代ヘブライ語の表記法では、六六六のように幾つかの数字が並ぶ時は、六x六×六の意味になるんだ。だとすると、ゲッベルスは”六六六”なる存在、つまり、黙示録の”獣”の存在になる!」

「うーん・・・・・・!」

・・・・・・・・・次号更新【ヒトラーの”最終軍団(ラスト・バタリオン)”は実在した!】に続く