「ネッシーの写真はウソ」報道されたが:朝日新聞(1994(平成6)年3月15日)

「ネッシーの写真はウソ」報道されたが:朝日新聞(1994(平成6)年3月15日)

NBCからのオファー(2)

私のことを「呼び屋」とか「興行師」「怪しい人物」と批判するのはおおいにけっこう。しかし、マジシャンは「何か仕掛けがあるな」と疑われてもさっと鳩を飛ばばて拍手喝采を浴びる。ネッシーにも、アメリカの三大ネットワークNBCからも「捕獲した場合、独占中継料一八億円を出す」というオファーが来た。つまり、それほど世界が注目する一大ロマンなのだ。

ものごとすべて「学術的」なものだけに価値があるのではない。某考古学者の「ゴッドハンド」といわれる発掘を賞賛していたメディアは、それが「やらせ」とわかった時何を感じただろうか。

本当の冒険や。ロマンは世間の批判や社会の常識などにとらわれていて生まれるものではない。そんな既成概念を突きやぶる行動力や冒険心、スペキュレーション(投機)が必要なのだ。大学の研究機関や大手メディア、スポンサーなどのひもつきでは決して本当の冒険は生まれない。これはジャーナリズムの本質にも共通していえることだろう。たとえば当時から「冒険記者」を名乗っていた本多勝一などあくまで朝日新聞という体制の中でしか動けないし、動かない人間だった。そんな連中に真の冒険やロマンを語る資格は断じてないのだ。

・・・NBCからのオファー:了