石原慎太郎 総隊長 ネス湖探検隊:サンケイスポーツ(昭和48年8月11日)より抜粋

石原慎太郎 総隊長 ネス湖探検隊:サンケイスポーツ

NBCからのオファー(1)

たしかに、発表後イギリスの新聞各紙でこの計画に関する批判が出てきた。イギリスの有力紙「ガーディアン」は十分に「日本人」を意識した批判を繰りかえした。

「日本人は我々をねらっている。イギリスの時計、テープレコーダ、ラジオ、などの電機産業を追いつめ、トラファルガー広場に鳩のように群がるだけでは満足せず、今度はネッシーまで探しに潜水艇を持って乗りこんでくる」。ほかの新聞もおおむね論調は似たりよったりだった。

この記事を読んで読者はどう思うだろうか。私にはかつての大英帝国が、当時すでにGNP世界二位となり、経済大国として躍進していた日本に対して抱いたいびつな感情、つまり誇り高いジョンブル国家のやっかみとしか思えないのだ。そしてその根底には日本人に対する当時の軽視、蔑視が見えかくれする。「あんな日本人に」という言葉が隠れているのだ。そんな現状を客観的に分析もせず、ただ英国有力紙発表という尻馬に乗った記事しか書けない、某大手新聞に私は無性に腹が立ったのだ。

・・・NBCからのオファー:続く