虚業家宣言:康芳夫

滞日中の狂態ぶり(2)

同じく、日本女性をもてあそんでも、カシアス・クレイには、どこか憎めない愛敬のようなものがあったが、トム・ジョーンズには、日本人全体が馬鹿にされたような不快感しか残らなかった。

到着した日の夜、TBSスタジオのリハーサルから帰ると、宿舎の品川パシフィック・ホテル、一泊十万円もする部屋にふんぞりかえってシャンパンをあけながら、トムが女を要求してきた。傍に息子のマイクがいるのにいっこう頓着しない。

「オレは女と一緒じゃないと寝ないことにしている」

それも、三人必要だというのだ。

そのときはすでに十二時を回っていた。クラブの女の子たちも、もう大方、帰っているか、今夜の約束ができているかだろう。そう説明してもトムは納得しない。

「それなら、ヨコハマ・トルコに連れていけ」

と、こうだ。まったく、どこで聞いてきたのか。その夜は、しかし、どうやら時間切れで、ごまかした。

翌日、午後からの記者会見、レセプションのため、私が迎えに行くと、トムが私の顔を見るなり第一に言った言葉が、

「ミスター康、今夜はOKだろうな」

・・・・・・次号更新【滞日中の狂態ぶり(3)】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』

真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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