大映京都撮影所:勝新太郎、モハメッド・アリ、康芳夫

『石油に挑む』(3)

イタリアのブローカーから採掘権を買って、掘り当てたアラビア石油は、成功した稀な例だが、あの場舎も、経団連の石坂泰三は、当然、彼自身が乗り出す立場にありながら、スケープゴードとして、山下太郎を送り込んだ。石坂泰三はもちろん山下太郎でさえ掘り当てることなど、まったく信じていなかったらしい。

だから、出たというニュースが伝えられたとたん、山下は部下に命令した。

「アラビア石油の株を買い占めろ!」

かの、BP(ブリテッシュ・ペトロレアム)でさえ、アラスカ沖に三千億という莫大な資金を投入しながら、結局、掘り当てることに失敗したというケースもあるのだ。それほど、この石油開発という事業は難しい。

私が商売第一、ビジネス第一の人間であれば、利権ブローカーとして、アラブ三国からすでに得た採掘権を開発会社に売ってサヤを稼ぐだろう。失敗の危険もなく、何億、いや何十億という金が入ってくるはずだ。

だが、それではツマラナい。私は、あくまで”虚業家”として、専門家が否定する方に賭けてみたいのだ。不可能と思われることにこそ、私の情熱はかきたてられるのである。

そして、石油の次は?すでに次のことも私は考えている。ウラニウム。最後のエネルギーといわれる原子力---それを私は、自分の手で手に入れるのだ。私には十分な自信がある。

・・・・・・次号更新【エピローグ:『政界にロマンを導入する』】に続く

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