虚業家宣言:康芳夫

『政界にロマンを導入する』(2)

人は私を”ホラ吹き”と呼び、”虚業家”と名付けた。”昭和の天一坊”だと悪罵を投げつけた奴もいる。

結構だ。私は”ホラ吹き”だ。”虚業家”である。”昭和最大、最後の天一坊”になってみたいと思っている。

考えてみてくれ、荒廃と混乱が支配するこの時代、管理社会の閉塞状況のなかで、人間が窒息寸前の現代、”虚業”こそ男の仕事なのだ。”虚業家”こそ現代の英雄なのである。

最後に、『幻影の時代』の著者・D・J・ブーアスティンの言葉で、この項をしめくくろう。

《出来事がないときには出来事を作り出し、英雄が存在しないときには英雄を生み出し・・・・・・国家目的が欠けているとき、それを作り出し・・・・・・価値の標準を作り出し・・・・・・途方もない期待をいだき、はぐくみ、つねに広げながら、われわれは幻影の需要を作っている・・・・・・しかも、人に金を支払って、その幻影を作り出してもらう---》

・・・・・・次号更新【『あとがき』】に続く

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