虚業家宣言:康芳夫

『石油に挑む』(1)

もう一つ、今、私はある計画を着々準備中なのである。これは、私の計画のなかでも超弩級、今まで私のやってきたこととくらべてもスケールの点で数段違う。結果によっては日本の将来、いや国際状勢をも左右しかねない大プロジェクトである。

そう、石油である。石油の一滴は血の一滴と言ったのはドイツの宰相ビスマルクだったが、今日の世界の状勢がまさにそれで、石油を制するものは世界を制すと言っても過言ではないだろう。

OAPEC諸国がクシャミをすれば日本がカゼをひくことは、すでに昨年末から今年初めにかけて、われわれが経験したとおりだ。カゼどころか、下手すれば、全身麻痺で身動きできない状態に追い込まれてしまうだろう。

”国難を救う”などという言い方は、私の最も嫌うところで、また、そんなつもりも毛頭ないのだが、結果的には、私の計画が成功した暁には、私は”救国の英雄”にまつり上げられることは、まずまちがいあるまい。

アラビア湾の主要三国からDD原油を直接買い付けること、および、マイニング・ライト(採掘権)を得ること、それが私の計画だ。もちろん、根拠のある話だ。クレイのマネージャー、ハーバード・モハメド、その父親、ブラック・モスレムの指導者、エリジャー・モハメド、それが私の握っているルートである。

・・・・・・次号更新【エピローグ:『石油に挑む』(2)】に続く

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