クレイ中国行きは演出(2)
田 中国についてはどう思いますか。たとえば毛沢東思想など。
クレイ まったく白紙です。毛沢東が何を考え、どんな思想を持っているか、私はそれらについては勉強していないし、なんの予備知識も持っていない。しかし私はそれでいいと思っています。白紙で何の先入観もないままに、ありのままの中国を見たり、中国の人々と話し合ってみたい。
田 それはいいことです。白紙であればあるほど、あなたは中国に共感するでしょう。毛沢東思想なども・・・・・・。
クレイ 毛沢東の考え方を一口にいえばどういう・・・・・・。
田 すべてが平等である、差別をしない・・・・・・。
クレイ それはおかしい。まちがっています。人間が平等なんてあり得ない。平等というのは人間がみんな同じということでしょう。そんなことはあり得ません。たとえば盲人がいる。片眼の無い人もいる。肌の色も違う・・・・・・。
クレイは完全に田英夫を食ってしまった。そして最後に、
田 中国へ行けばもっといい体験になりますよ。
クレイ ありがとう。中国訪問が楽しみになりました。
私はクレイの役者振りに唖然とした。
なぜか。もう言うまでもなかろう。クレイの中国訪問など、初めっから、具体的計画はなにもなかったのだ。日本での試合が終わったら、韓国に寄ってエキジビション・マッチをやる。そういう予定だったのだ。たまたま韓国側のプロモーターから契約金の三万ドルが送られてこなかったためそれは取り止めになったが。
中国ブームを利用した、クレイと私の、これも、ムード盛り上げのテクニックである。
もう一つ。入場料のことも書いておきたい。私は、できればリングサイド十万円とするつもりだった。それだけの価値があると思っていたし、高過ぎるということで必ず話題になるからだ。
結局、関係者に押し切られて、十万円は実現せず、三万円ということに落ち着いたのだが、それでも、それまでのボクシング興行では最高ということで、話題にはなってくれた。
自分が、その価値を認めたら、絶対に安売りをしてはいけない。高ければ高いほど、その価値自体も上がるのである。
・・・・・・次号更新【人騒がせなクレイ】に続く
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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。
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