セクシャル・アクションで女性を悩殺(2)

虚業家宣言:康芳夫

トム・ジーョンズは一九四一年、イギリスはウェールズ地方の田舎町ポンティブリットに生まれた。父親は貧しい炭鉱夫。

中学を出ると、すぐに日雇いの建築労務者となった。だが歌が好きだった彼は、夜、仕事が終わると、労働者相手のパブに歌いに行っていた。もちろんノーギャラだった。

十六歳のとき結婚。

一九六三年、現在のマネージャー・ゴードン・ミルズに誘われ、ロソドンへ。翌年、EMIレコードから『チルス・アンド・フィーバー』というシングル盤を出したが、まったくと言っていいほど売れない。

デッカ・レコードに移籍して『イッツ・ノット・アニュージュアル』を発売。

後に爆発的な売れ行きを見せたこの曲も、最初はサッパリ売れなかった。彼が初めてテレビに出たときも、完全といっていいほど黙殺された。

彼が、突然花開いたのは、二年後である。そのときトムは、現在のセクシーなボディ・アクションを発見したのであった。

前のふくらみを強調したズボン。はげしくグラインドさせて、ボタンがはじけ、興奮した女性は自分もパンティを脱いで投げてくる。

トムは歌っているとき、息づかいを荒くする。そして、それはファックしているときの男の息づかいそのままである。彼は完全に女性のセックス・シンボルとなることによって自分を売り出した。

六五年、アメリカ進出を企てたとき、彼に目をつけたのは圧倒的に有閑マダムが多かった。

彼女たちの性的欲求不満の解消剤として、トム・ジョーンズは今日の人気を得たのである。当時、彼が出演したアメリカのテレビ会社には、こんな電話が殺到したという。

「エルヴィスより、ヒップの動きがいいわ」

問題はその後だ。どの電話の主もまったく同じ口調でこう聞いた。

「彼のホテルはどこかしら?」

・・・・・・次号更新【セクシャル・アクションで女性を悩殺(3)】に続く

---

『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

---