拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」:Fukujin N0.11 2006

拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」・・・10

拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」:Fukujin N0.11 2006

櫻木 感じたときの歳って関係ありますかね?

康 年齢的な問題は絡んでくるよね。

上杉 宮崎学さんの『万年東一』は詳しいですね。

康 万年東一もなかなかの人だったね。そのころ歌舞伎町は正に西部開拓史の町だった、最初に東声会が入ってきて、町井会長は在日でその頃のいわゆる第三国人、即ち朝鮮系その他それにつらなる暴力スリを束ねたの、韓国の暴力スリって伝統があるんだけど、それを束ねて東声会を築いたの。

秋山 暴力スリと普通のスリの違いは?

康 囲んで強引に取っちゃうわけだよ。歌舞伎町に行くと安全保璋が必要だから僕は歌舞伎町から10分位のところにあった出身高校である海城高校及びその周辺の不良グループの全権代表として東声会に話をつけたの。落とし前はそれなりに払うんだけど。そのうち住吉が入ってきて、極東とか・・・・・・今は山口組が押さえちゃったけど。

櫻木 最近動きが激しいんですよ。

康 いいのか?!こんな漫談で。

上杉 いいんです。そういう構造は戦後の闇市のころから基本的には変わってないんですか?

康 なにが?

上杉 裏と表の構造とか。

康 現在ははるかに深く多岐に渡ってるから。構造自体は極めて複雑になっていますね。その後の犯罪組織及び構造ってみんなその方向に向かっているでしょ?

澁澤 著書のなかで「犯罪にだけは手を染めてない」とありましたが。

康 そんなこと書いたかな?

澁澤 書いてありましたよ。

康 犯罪と非犯罪の境界線がわからないんだよ。書いてあった?

澁澤 ありました。

康 何が犯罪なのかわからないんだよ。ずっと前、平岡正明とかが犯罪者同盟とかなんとかデッチ上げたけど、あいつらなにやったのかな。一回書類送検程度の軽犯罪やったぐらいか。

南 いいなあ(笑)。

櫻木 すごく複雑か、ものすごく単純かだよね。わからないっていうのは。

秋山 でも、芸術は犯罪じゃないと思ってらっしゃるでしょ?

上杉 芸術は犯罪でしょ。

秋山 いや、限りなく犯罪に近くても・・・・・・。

康 芸術が犯罪であるって考えるまでもないし、本来的にきわめて犯罪的である訳だし。捕まるか捕まらないかだけでしょ。捕まれば即犯罪ということであれば赤瀬川原平も立派な犯罪者だ。

上杉 宗教は犯罪ですって宗教の人は言わないわけだから。

秋山 限りなく犯罪でも・・・・・・。もう一度伺いますと、犯罪は犯したんですか?

康 何が犯罪かわからないから(笑)。君たちの倫理のなかでは犯罪かもしれない。その意味では僕がやってることは犯罪だよ!

一同 (笑)

・・・以上、拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」:Fukujin N0.11 2006 より抜粋

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『Fukujin ~漬物から憑物まで~』明月堂書店

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