拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」・・・33
秋山 やめるやめないじゃなくて、どっちでもいい世代が僕たちで。どっちでもいいといってるのに「やめるわけ?」とグチャグチャ言ってる世代も面倒くさいでしょう。
南 そうだね。
康 おいくつ?
南 来年60歳。みんな還暦ですから。
康 原平は僕と一緒だよ。
秋山 へぇ、見えない。康さん、すごい若いですね。
康 だから前を見てね。原平は12年。3月だから俺より上だ。俺、5月だもん。
櫻木 今度の本読んだら、アリの招聰なんて30代よ。
康 僕はアリ戦をプロモートする中でいろいろな人を見てきたけど田岡一雄山口組組長は魅力的だったよ。あの親分肌はね。ボクシングが好きでいろんなボクサー達の面倒を見ていた。この前僕が書いた『虚人魁人』にも田岡組長、アリ、小生の三人で写っている写真出してあるけど、仲良くしてもらっていた。なにかあったらいつでも相談に来てくれと言ってくれてね。俺が何か頼むとまわりがいろいろ厳しく言ってくる。そういうのが厄介なので具体的には何もたのまなかった。
櫻木 在日というか、そういうのは全然?
康 いやぁ、まったくないですね。ただ、ショバ荒らしということでねボクシング関係者はいろいろ言つてくるわけですよ。協栄ジムの金平会長に現場は全部委託してたんだけど。彼も在日だね。
澁澤 読ませて頂くと日本人が入っていない話が結構あるわけですね。
康 それはたまたまですね。僕も厳密に言うと在日なんだけど、それは大した問題ではない。
秋山 大した問題ではないと思う人とすごく重石のように重い人もいらっしゃいますよね。
康 うーん。その質問はボクシングに関しての話?
上杉 文字で書かれたものはテキストとして読んでしまったときに、第二次誤解が生じるわけでしょ?
康 僕の本にはそういうことが書いてあるよね。それはひとつの推測でね。僕自身はそれでハンディキャップを負ったことはまったくない。
秋山 ただ、読者が過剰に意味を解釈してしまうことは想定されていますよね。
康 読者はね。在日コリアに対しては第三者が過剰な意識を持つけれど、僕は中国だからということなのか不思議にないですね。コリアだったらいろいろあったと思う。
上杉 そうですか。失礼ですが、国籍は台湾ですか?
康 うん。中国が僕に国籍を変えろと言ってくるの。一種のダーティヒーローだから(笑)。
澁澤 それはすごい。
・・・以上、拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」:Fukujin N0.11 2006 より抜粋
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『Fukujin ~漬物から憑物まで~』明月堂書店
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