真剣勝負から生まれた友情(3)
私と彼は、黙ったまま、延々と張り続けた。そして、その夜、私は三万ドル負けた。その男は、だから、六万ドル負けたことになる。だが、男は顔色一つ変えず、平然と葉巻をくわえたまま帰って行った。
翌晩、私は、
「奴は、今日も来るだろう」
と確信していた。
予想どおり、その男は、その晩も私のいる台に近づいて来た。やり方は、昨夜と同じである。常に私の倍、倍と張ってきた。妙なもので、そうなるとこちらにも対抗意識が出てくる。
相手が二千ドルなら、次はこちらは三千ドル張る。するとその男は、すぐさま、倍の六千ドルを張るのだ。
私が七千ドル張る。その男は一万四千ドル。私が一万ドル張れば二万ドル、平然と眉一つ動かさず張り続けてくる。
回りの見物人たちも私たちの気迫に押されてか、その夜は、声一つ立てなかった。
まさに真剣勝負だ。
・・・・・・次号更新【真剣勝負から生まれた友情(4)】に続く
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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。
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