プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著)精神科医 川尻徹
プロパガンダの天才・ゲッベルスとの出会い(2)
−−−ヨゼフ・ゲッベルスは、宣伝相としてヒトラーと最後まで行動をともにし、ヒトラーの自殺した後、自分も後を追って自殺した側近中の側近だ。人は彼を ”プロパガンダの天才” とも、”第三帝国の演出者”とも呼んでいる。
「ゲッベルスと会ったことが、そんなにも大事なことだったんですか?」
「そうだとも。まず、ヒトラーが聖書、特に『ヨハネの福音書』と『ヨハネの黙示録』を自分に対する指針としていたことを忘れてはいけない」
博士は聖書を開き、『ヨハネの福音書』の冒頭を読んだ。
---
「初めに言(ことば)があった。言(ことば)は神とともにあった。言(ことば)は神であった。この言(ことば)は初めに神とともにあった。すべてのものは、これによってできた。できたもののうち、一つとしてこれによらぬものはなかった。この言(ことば)には命があった。そしてこの命は人の光であった。光は闇の中に輝いている。そして闇はこれに勝てなかった」
---
・・・・・・・・・次号更新【総統の代理人として歴史を動かす人物】に続く