プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著)精神科医 川尻徹
キリストの役割を与えられたゲッベルス
「では、実体ヒトラーは、ゲッベルスにどんな役割を与えようとしたのですか?」
「キリストが、言葉を駆使して人々を扇動したプロパガンダの専門家であったことを考えると、ヒトラーは、ゲッベルスにキリストの役割をさせようとしたのではないかと思われる。つまり、殉教者として十字架にかけられる役だな」
「つまり、実体の願った第四国実現の犠牲となって死ぬ役ですね。それを・ゲッベルスは知っていたのですか」
「いや、最初は知らなかったと思う。彼は、ヒトラーこそキリストと思っていたらしいからね。ゲッベルスの日記を読むと、たとえば一九二五年一〇月一四日には、『この人は何者なのか。人か? キリストか? ヨハネか?』と書いているくらいだから、自分は単なる使徒の一人だと思っていたのではないだろうか。それで、ヒトラーに目をかけられると、彼の期待に応えるため情報宣伝活動に没頭したわけだ」
「自分が”ノストラダムス計画”の中で、殉教者になる役割だということを知ったのは、いつなんですか?」
・・・・・・・・・次号更新【キリストの役割を与えられたゲッベルス(2)】に続く