虚業家宣言:康芳夫

好意的だった地元住民(1)

私たち一行八人が、すべての準備を終え、スコットランドへ向けて出発したのは九月六日だった。十時二十九分発のBOAC機が羽田を発った瞬間、私は自分のホラが大きくはばたいたのを感じた。

先発隊として吉田クンたち二人が、十一日にすでにインバネス入りし、「現地の状勢は必ずしも悪くない」ということを報告してきていたので、私は安心して乗り込んで行ったのである。

ロンドンのヒースロー空港でセスナ機に乗り換えて二時間、翌七日午前十時に私たちはインバネスの飛行場に着いた。

スコットランド北部の小さな町インバネス。福田さんも言っていたインバネス・マントとネッシーがなければ、誰もこんな町に見向きもしないだろう。人口は三万足らず、町に劇場と名のつくものがたった一軒しかないということでも、想像がつく、寂しい田舎町だ。

町の住民たちにとって、私たちはまるで宇宙人のように見えたのではなかろうか。ファーイーストの日本から二十万ポンドもの大金を用意して、いるかいないかもわからないネッシーを探しに来る、気違い沙汰だと思ったかもしれない。インバネスの町は、私たちを迎えて町中が大騒ぎだった。

・・・・・・次号更新【好意的だった地元住民(2)】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』

真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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